(62)ナイジェルに会いに行く
[2022/11/26]

23日、24日の2日間、山梨県北杜市に出かけた。家人がどうしてもと希望するので(私もだ)、知人が飼い始めた子犬に会いに行ったのだ。名前は「ナイジェル」、ゴールデンリトリバー、女の子、7ヶ月。実はナイジェルに謁見するはこれが2度目になる。9月29日に日帰りでナイジェルに会いに行っている。
我が家の「パル」(ラブラドールリトリバー、男の子)がコロナ時代の入り口2020年4月14日、もう少しで14歳という日に死んでしまった(「俎板橋だより」(67)参照)。それから2年あまり、犬のいない生活はほんとうに寂しい。パルは毎晩、わたしの布団の中にやってきて一緒に寝てきた同志だった。

寂しそうに見えた私たちに、だれもが新しい犬を迎えろという。しかし後期高齢者、前期高齢者(どちらも東京都のシルバーパス世代)、しかも2人住まいにとって、新しい友(犬)を迎えるのは年齢的にもはや無理だ。私は朝の散歩で会うワンちゃんたちに挨拶することで、2年間この寂しさをまぎらわしてきた。
Nさんの場合、前のゴールデンを亡くしてまもなく、母親Nさんを心配した娘さんがネットで子犬を探してくれたのだ。生まれは青森県弘前市、そしてここ北杜市高根町のNさんのお宅にやってきたのが9月の初めだ。生後5ヶ月のナイジェルは可愛かった。ナイジェルを抱くと、パルと同じ匂いがする。うーん、懐かしい!それから2ヶ月、我慢できなくなってまた出かけてきたしまったわけだ。
宿はいつもパルと泊った清里の牧場通りの奥にあるB&B。中央高速の高尾、笹子のあたりの紅葉は素晴らしかったが、標高1100メートルを越えるこのあたりは、すでに落葉していた。23日の休日は一日中大雨だった。そのせいか、いやこの日が営業休日の多い水曜日であったのか、いやリゾート地の今年のシーズンはもう終わっているのか、人影も車も少ない。両脇に掃き清められたような落葉の続く道を車で走る。もう冬の季節が来ているのだ。来年の4月まで休業しますとの看板も目につく。うってかわり翌日は大快晴。つい2ヶ月前には濃い緑によって見えなかった南アルプスや八ヶ岳の山々、そして近くの家々が樹々の間から見える。

  
晩秋の清里

初日はランチの後、2日目はランチ持参でナイジェルに会いに行った。生後7ヶ月、体重も20キロ近くなっている。脚も太いからさらに大きくなるにちがいない。ともかく、いつもご機嫌で、吠えたりないたりしない。24日、青空のもと、まずランチ前にわれわれ老夫婦はナイジェルと近くに林の中の道を散歩する。ナイジェルは帰り道に与えた太い幹をくわえて意気揚々とご帰還だ。リトリバーの血が呼び覚ますにちがいない。
ナイジェルもランチ。食べ終わると疲れたのだろう、床に大きく寝そべって昼寝を始めた。われわれもランチだ。食後のコーヒー、そして3時のおやつとお茶、あっという間に4時近くになってしまった。
また来年早々に来るからねというと、ナイジェルは「もう帰ってしまうの」という顔を(と信じてる)して、玄関先でわれわれを見送る。

まったくの交通渋滞のない中央高速、片道2時間半。ナイジェル・ツアーは無事終了。だいぶ良くなった両膝関節だが、やはり少々疲れた。

  
 ナイジェル5ヶ月        7ヶ月のナイジェルと遊ぶ