(32)組継ぎ本『新宿書房往来記』書評集が出来た!
[2022/4/9]

『新宿書房往来記』(港の人)は昨年暮れに出版されてから3ヶ月余が過ぎた。2月頃、旧知の前田年昭(まえだ・としあき)さんにいくつかの書評を送った折に、もう少しまとまったら「組継ぎ本(くみつぎぼん)」の書評集を作りましょうと提案が返ってきた。そしてある日、〈文字と組版/編集と校正:汀線社(ていせんしゃ)〉の主宰者でもある前田さんが、これまでの書評を掲載した「組継ぎ製本」の小冊子のデータを作って送ってくれた。
組継ぎ本 kumitsugi binding styleは、ノリもステープラー(ホチキス)もセロテープも使わず、素材としての紙だけを組み継ぐ製本技法で、2003年に汀線社の前田さんが考案したものだ。自分の手で紙の冊子を製本したいと願う人たちにより、これまで数多く実践がなされてきた。いま、腕をあげたスタッフの加納さんが組継ぎ本『新宿書房往来記』書評集をせっせと制作している。
タイトルは「村山恒夫『新宿書房往来記』(港の人、21年12月)書評集 2021年12月~2022年3月」。A5判サイズ、28頁のこの書評集には、『新文化』(21年12月16日付)から始まり、『図書新聞』(22年3月26日付)までの14の書評・インタビューなどが、ほぼ掲載日付順に収録されている。
汀線社のHPではこの「組継ぎ本」の作り方が紹介されている。
また、同社では、この組継ぎ本の解説の小冊子『組継ぎ本々義』を500円+送料で頒布している。

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「組継ぎ本」作り方ページの一部


『新宿書房往来記』書評集 どのページを開いても180度見開き

実はこの組継ぎ本書評集、新宿書房では初めてのことではない。2013年8月に刊行した『釜ヶ崎語彙集1972-1973』(寺島珠雄編著、2013年)。同書の組継ぎ本書評集が、この本の企画・編集者でもある前田年昭さんの指導で作られている。『釜ヶ崎語彙集1972-1973』のことについては、『新宿書房往来記』(p 176~、「通り過ぎていった小沢信男さん」)を参照のこと。


「組継ぎ本『釜ヶ崎語彙集1972-1973』書評集」はB5判サイズ