淳之介の背中
[東京新聞 2006年4月13日夕刊]
[週刊朝日 9/3号]
[潮 9月号]
吉行文枝/港の人/一六八〇円
 「私たち夫婦は、ある時をさかいに、別々に暮らさなくてはならなくなりました。(中略)交わした言葉のひとつひとつ、日日の一片一片は、少しも色褪せることなく私の中にあります。若かったふたりがともに過ごした時間は、それほど楽しく、濃く、凝縮されたものでした」。この冒頭の一節に著者の思いのすべてが込められている。著者の言葉を「あじさいの人」はどう読むのだろうか。いずれにしても男冥利につきることだけは間違いない。
[週刊新潮 8月5日号]
淳之介の背中
吉行文枝
新宿書房・1680円
作家・吉行淳之介が逝って10年。それを機に、文枝夫人が沈黙を破り、夫・淳之介を語った。濃密な時間が詰まった夫婦生活、創作秘話などが明かされ、吉行ファンは新たな驚きを抱くに違いない。そう、夫人が籍を抜かなかった理由が知れてくる絆の深さを。
[赤旗 7月25日]
淳之介の背中 吉行文枝著
 吉行淳之介が亡くなって10年。「離れて暮らした時間に比べれば、一緒に過ごした歳月はそのわずか半分」という夫人が、色あせることのない思い出を心をこめて語っています。若き日の淳之介の文学にうちこむ生活、夫人の誕生日には離れて暮らしたあとも必ず赤いバラ一輪をプレゼントしたやさしさがにじみでています。
(発行・港の人、発売・新宿書房・1600円)
[東京新聞 7月22日夕刊]
●淳之介の背中 吉行文枝著
 敷きっぱなしのふとんに腹ばいになって原稿を書く夫を、いつもそばに座って眺めて過ごした。「女がこう言うんだが、どういう意味だ」と聞かれれば、「それは、こういう意味だったのではないかしら」と一緒に考えた−作家吉行淳之介と別居後、長く沈黙を守ってきた妻が、吉行の没後10年を機に出会いから別居までの15年間の生活の記憶を初めてまとめた。淡々と平明な文章に、世間の常識では理解しづらい2人の絆(きずな)のあり方とその深さがにじむ。(港の人・1680円)
[毎日新聞 7月11日]
[神奈川新聞 7月4日]
[読売新聞 7月2日夕刊]
[サンデー毎日 7月4日号]
◆『淳之介の背中』吉行文枝(港の人/1680円)
 「私たち夫婦は、ある時をさかいに、別々に暮らさなくてはならなくなりました」。吉行淳之介の没後10年。夫人であった著者が、胸の奥底にしまい込んでいた夫・淳之介への思いを初めて語った。いつも猫背だった背中、代理で出席した芥川賞授賞式、そして別れ。秘蔵の写真も多数収録。
[毎日新聞 6月14日 夕刊]
 淳之介の背中(吉行文枝著/港の人・1680円)
 吉行淳之介が亡くなって今年7月で10年。長年離れて暮らしていた本妻による書き下ろしエッセー。貴重な写真も多数収録。
[朝日新聞 5月29日 夕刊]
本の詳細を見る→<ISBN4-88008-318-6 C0095