見世物稼業
安田里美一代記
 
鵜飼正樹 著  

[見世物学会・学会誌『見世物』 
2001/5/31]

芸をなす人と、学をなす者とのあいだに
― 鵜飼正樹著『見世物稼業 安田里美一代記』に寄せて

橋爪紳也
大阪市立大学助教授、工学博士 建築史・都市文化論専攻 見世物学会理事

(前略)鵜飼さんの著書『見世物稼業 安田里美一代記』(新宿書房刊)は、「人間ポンプ」こと故・安田里美さんからの聞き書きを編集したものである。「胃袋魔人」「驚異の胃袋」とみずから名乗った安田さんのライフストーリーを「一人称の語り」で綴るものだ。

また自身の経験だけでなく、同時に多くの芸人たちの生きざまと人生観、そしてみずからが身を置いた見世物稼業の変化、同時代を生き抜いた芸人たちの行状などが詳しく記されている。戦前から戦後、見世物稼業はいかに変容したのか、とりわけ二十世紀の最後の十年のあいだ、芸の世界はいかなる状況に追いこまれていたのかを知ることができる同時代史である。この国における仮設興業界の戦後史を、芸人の側から把握した先例のない、貴重な証言集である。見世物研究という領域にあって、後世の人たちに伝えるべき、メルクマークになる仕事という評価をなすべきでだろう。(後略)

全文は
見世物学会・学会誌『見世物』 創刊第1号
2001年5月31日発行
編集/発行:見世物学会
本体価格 1500円 
をご覧下さい。

見世物学会事務局:
札幌市豊平区西岡3条7-3-1 札幌大学文化学部
石塚純一



本の詳細を見る→ <ISBN4-88008-262-7

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