「文字よりもつよい詩」
――小沼純一
昨年十二月、三軒茶屋のシアタートラムで一昨年亡くなった如月小春作品のリーディングとシンポジウムがおこなわれた。
芝居として成り立つべき戯曲のなかから、台詞を抜き出し、何人もが交替で朗読する。朗読は、渡辺えり子、川村毅ら、現在第一線で活躍している劇作家たち。印象的だったのは、それらがごく稀にではあるが、たしかに芝居の、戯曲のなかの言葉ではある。だが、声として発されたときにもちうる、力が、多くの、紙の上に書きつけられた文字としての詩よりも、はるかにつよいものがそこにあった。
本の詳細を見る→ <ISBN4-88008-272-4
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