江戸から明治にかわるころ、ひとりの陶工のおやかたが作った焼きもののカエルたちは、まるで生きているよう。
それどころか、おやかたと話しもできるし、心も通じ合っています。
永遠のいのちをもらったカエルたちと、陶芸の高みをめざすおやかたの感動の物語。
そのやきものの前に立ったとき、まるでスポットライトがあたっているかのように、著者とやきものは「ふたりきり」の世界になりました。
そのうえ、やきものにくっついているカエルたちがつぶやきだしたのです。
え?カエルたちは語りつづけます。著者はあわててそのことばを書きとめました。こうやって、不思議な物語ができあがったのです。
著者が工芸の職人さんたちへ憧れと敬愛をこめてささげる、
おとなのためのファンタジー小説。
帯には著者の叔母で、人形作家・日本芸術院会員の
奥田小由女(おくだ・さゆめ)氏が一文を寄せている。
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