Vol.60 [2004/12/22]

四谷三栄町耳袋(19)

伊藤勝太郎と久保栄(1)

 2004年の夏はあっという間にすぎた。もちろん夏休みはなし。昨年は8日間以上を山梨の大泉村で過ごしたので、2年分の休みを先にとったということで、自分を納得させ、ひさしぶりに仕事に励んだ。編集のプロセスの時代変化も実感させられた、半年間だった。

 2人の仕事に夢中になった。1人は久保栄(1900-58)。どんな百科事典にも、あるいは広辞苑などの国語辞典にも載っている、日本演劇史では有名な演劇人なので、御存じの方は多いだろう。

 もう1人は、伊藤勝太郎(1875-1964)。この人を一発で言い当てるひとはまあいない。東京・銀座に生まれ、1904年(明治37)に銀座3丁目に和漢洋文房具店「伊東屋」を創業した人である。

 銀座伊東屋は2004年6月16日に創業百年を迎えた。2003年の夏からの編集だから、仕事は急ぎで、きつい。10月14日の祝賀・謝恩会に間に合わせるため、ほんとうに暑い夏となった。

 百年史執筆は文房具研究家の志村章子さん、製作は新宿書房(村山)。造本は中垣信夫デザイン事務所の中垣信夫さんと豊田あいかさん。編集委員会は伊東屋の伊藤高之社長、佐藤易男常務ほか意匠室のみなさんと志村、村山。毎週の編集会議となった。

 実は志村、村山、中垣の3人は約20年前の1985年刊行の同社の80年史を一緒に手掛けたメンバーなのである。20年ぶりに同じ会社の社史を手掛けられるのも、いろいろな意味で幸運なことだ。3人とも元気だった!

 この『銀座伊東屋百年史』は少部数のうえ、バーコードもない本、一般の人の目にもとまらないだろうから、画像を紹介しよう。

  判型=A5判 
  印籠型箱入り
  上製、カバ-付き
  丸背、糸かがり
  本文304ページ、うちカラー口絵は16ページ、8ページ、4ページの3台。
  扉口絵(折り込み)6ページ、後見返し6ページ(折り込み)。
  スピン3本
  箱は印籠型といって、印籠のように、上蓋を取ると、本が現れる。


 目次を紹介すると、以下のようになる。

  1)特別鼎談(山本一力、林えり子、伊藤高之)
  2)銀座伊東屋百年史(志村章子)
  3)百年史年表
  4)写真で見る百年史(店鋪・広告・宣伝物)
  5)戦前の伊東屋/元社員座談会
  6)現役社員座談会
  7)会社概要
  8)折り込み口絵「創業時店鋪模型(芳賀一洋製作)」
   「大正銀座絵地図」「明治35年銀座通り戸別一覧図」



(以下、次項につづく)
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写真撮影=石山貴美子

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