(40)九段下・耳袋 其のさん
[2019/10/5]

サン・セバスティアンでの『よあけの焚き火』
スペインのバスク地方の観光都市、サン・セバスティアンで開かれた第67回サン・セバスティアン国際映画祭(9月20日〜28日)。新人監督部門にノミネートされた土井康一監督の『よあけの焚き火』(19,桜映画社)は8月23日に公式上映された。主演の大蔵基誠さん、康誠くんも参加。しかし、残念ながら、土井監督は最優秀新人監督賞を逃した。

   

https://www.sansebastianfestival.com/in/
http://yoakenotakibi.jp/
http://www.sakuraeiga.com/news/2019/09/12_11_52.html

ダンサーは消える
雑誌『現代詩手帖』(2019年10月号、青土社)に室野井洋子さんの『ダンサーは消える』(2018年10月刊)の書評が載った。小社HPの書評を参照していただきたい。評者の生西康典(いくにし・やすのり)さんは演出家/美術家/映像作家で、美学校でも教えている方だ。
https://bigakko.jp/course_guide/mediaB/engeki/info
この書評のタイトルは「あの世とこの世を結ぶもの」。紹介されているアクショニスト・首くくり栲象(くびくくり・たくぞう)さんと室野井さんとの結びつきがおもしろい。首くくりさんの本名は吉澤守さん、2018年4月に亡くなられている。1970年代から自宅の庭劇場で毎日のように首吊りを続けてきたアクショニスト・首くくり栲象さんを記録した映像や写真集がある。
http://ranrantsushin.com/kubikukuri/index-1.htm
http://www.welcome.city.yokohama.jp/ja/tourism/...
https://bijutsutecho.com/magazine/news/exhibition/20322
https://minoruhorie.com/takuzo/
https://www.tokyo-sports.co.jp/entame/975793/

編集グループSURE連続イベント@東京・イベント
新宿書房の兄弟会社?「編集グループSURE」からチラシが送られてきた。元気ですね。図書出版クレインの文(むん)さんやフリー・ライターの木村聖哉さんも出演します。

   

http://www.groupsure.net/

山形国際ドキュメンタリー映画祭2019 (YIDFF2019)
YIDDF2019は10月10日から17日まで山形市で開催される。
小社刊『そっちやない、こっちや―映画監督・柳澤壽男の世界』の柳澤監督とこのYIDDFとは縁が深い。本年はYIDDFネットワーク特別上映として、10月12日に『夜明け前の子どもたち』(68、柳澤壽男監督)と、柳澤作品でスチールや助監督を務めた小林茂監督の『わたしの季節』(04)が上映される。これは柳澤作品の舞台となった、びわこ学園のおよそ40年後を、小林監督が描いていた作品だ。上映後にトークもある。
https://www.yidff.jp/home.html
https://www.yidff.jp/2019/program/19p9.html#yn

山福康政・朱実 父娘二人展
東京・東中野のポレポレ坐で10月22日から。この父娘二人展は本コラム(23)で紹介した、同じポレポレ坐でこの春に開催された上野英信展「上野英信の抗口」(5月22日〜6月9日)の続編と位置づけてもいい。そこで紹介した福岡文学館企画展「上野英信 闇の声をきざむ」(2017)の図録には「〈筑豊文庫〉を支え続け受け継ぐ人々」という文があり、山福康政についてこう書かれている。

 ……画家で児童文学者の山福康正政(1928〜98)。広島市の爆心地近く生れた山福は、2歳で北九州・若松市へ移住したために被爆を免れたが、親族には死者もいる。2年目の夏は、まだ廃虚の残る広島で過ごしている、英信との縁は『天籟(てんらい)通信』主宰の俳人・穴井太(ふとし)らによるもの。地元では、印刷所の経営者、いやガリ版屋のオヤジとして知られる。家業のかたわら出版社・裏山書房もはじめ、『ひとくわばり』復刻版、上野晴子『キジバトの記』はそこからの刊行である。……

山福朱実はイラストレーターで、山福の長女。上野英信夫人の上野晴子の『キジバトの記』は1998年に山福の裏山書房で出版されたあと、2012年に海鳥社から新装版(装丁・装画=山福朱実)が出ている。

https://pole2za.com/exhibition/2019-10-22-11-4.html
http://nekoyanagioffice.blog.jp/archives/65951799.html

見世物学会総会が11月4日に東京芸大で
わが見世物学会の第21回総会が東京芸大で開かれる。基調提案は本学会の総務局長で飴細工師の坂入尚文さん。果たして、何を提案されるのかが、注目されている。

http://shinjuku-shobo.co.jp/2016-SHOSEKI-LIST-TOP.html https://www.misemonogakkai.com/

こころの時代 名言集
NHK Eテレ『こころの時代』で1月27日(再放送は2月2日)に放送された宇江敏勝さんの「山の人生 山の文学」。放送後大変な反響があり、たくさんのお便り、本の注文をいただいた。放送番組のサイトには、「2018年度 こころの時代 名言集」というページがあり、宇江さんの言葉が紹介されている。1月放映なので2018年度となっている。
https://www4.nhk.or.jp/kokoro/31/

 2019年1月27日放送 作家・宇江敏勝さんの言葉

 「山の現場で働く人が文章を書く、という例は他になかった。今まで誰も書かなかった世界に、自分は生きている」

 熊野古道に近い和歌山県田辺市中辺路町に暮らす作家の宇江敏勝さん(81)。炭焼きの家に生まれた宇江さんは、自ら炭焼きや山林労働者として働き、山人たちの暮らしをつづった数々のルポルタージュを発表してきた。そして2011年から、果無山脈や十津川などを舞台に、山の民の信仰や伝説を描いた民俗伝奇小説を書き継いできた。熊野に生き、そして書いた、宇江さんのはるかなる山の人生と文学について語っていただく。

ぜひ、アンコール放送を期待したい。
そして、まもなく〈宇江敏勝民俗伝奇小説集〉の第9弾『牛鬼の滝』が刊行される。今回は、人と動物をめぐる五つの物語だ。牛鬼とは、秘境の滝に棲むという妖怪だ。
どうぞ、さらなる宇江ワールドに乞うご期待!