SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2009に北欧の2作品が参加

[2009/6/24]

  埼玉県川口市のSKIPシティで開催されているSKIPシティ国際Dシネマ映画祭が今年も7月10日から20日まで、11日にわたって開催される。今年で6回目を迎えるこの映画祭では毎年北欧の作品が上映されているが、今年もスウェーデンとデンマークの作品が参加の予定。今回はこれら2作品を中心に、ご紹介したいと思う。

 また、今回、映画祭事務局から映画祭招待券の提供を受けたので、読者の方にプレゼント!詳細は本コラムの末尾をご参照下さい!

デンマーク作品『愛を求めて』

 デンマーク作品は『愛を求めて』(Dig og mig:2008)。監督はクリスチャン・E. クリスチャンセン(Christian E. Christiansen)。

『愛を求めて』

 偶然に病院のガン病棟で出会った三人の少女、サラ、メッテ、ステファニーの物語。野心に燃える父親の容赦ない指導で、プロの水泳選手を目指すサラ。とても信心深い家族のもとを去りながらも、家族の愛に飢えているメッテ。愛する彼を、拒絶されるのではないかと怖れるあまり振ってしまったステファニー。出会った3人は、自分たちの病を受け入れようとしながら、それぞれの愛を求めて交友を深める…。

 サラ役は1984年生まれのラウラ・クリステンセン(Laura Christensen)。子どもの頃から女優として活躍しており、出演作品の中にはラース・フォン・トリアー監督(218ページ)の『キングダムII』(108ページ)なども。メッテ役は1984年生まれのニール・ロンホルト(Neel Rønholt)で、この作品のほか、日本公開作品では『アフター・ウェディング』(本コラム第67回参照)など、多くのデンマーク映画に出演している。ステファニー役は1981年生まれのユリエ・R. オルゴー(Julie R. Ølgaard)で、彼女も『アフター・ウェディング』ほか、多くのデンマークの映画、テレビ作品で演じる女優である。

 本作の監督、クリスチャン・E. クリスチャンセンは1972年12月生まれ。2001年にデンマーク国立フィルムスクール(60ページ)のプロデューサーコースを卒業後、いくつかの作品でプロデューサーや監督をつとめている。2007年には短編の監督作品「At Night」(Om natten:2007)でアカデミー賞の短編部門にノミネートされた。本作『愛を求めて』はこの短編をベースにした長編とのこと。

 下記のリンクにデンマーク語だが公式サイトがあり、予告編などもみることができるので興味のある方はご覧を。

 映画祭での上映は、7月12日(日)が11時から、15日(水)が17時からの2回が予定されている。

スウェーデン作品『鷹匠の息子』

 スウェーデン作品は『鷹匠の息子』(The Eagle Hunter's Son)。こちらはこの6月にできたばかりの作品で、ベルリン国際映画祭にも出品された作品。ドイツとの共同作品で、監督はデンマーク人のレネ=ボー・ハンセン(René Bo Hansen)という、ヨーロッパ製作といった感じの作品である。

『鷹匠の息子』(c)edenfilm / stromberg productions

 バーゼバイはカザフスタンとの国境に近い西モンゴル地方に住む遊牧民の12歳の少年。大都会ウラン・バートルに憧れる彼は、故郷の草原を出ていく日を夢見ていた。だが彼の父親は、いつか息子が自分の跡を継いで有名な鷹匠になってくれることを願っていた。そんなある日、彼の兄のカーンがウランバートルへと旅立つことになる。そのためにバーゼバイは傷つき、裏切られたと感じるが、そんな彼を慰めようと父親は大きな鷹匠の祭典へバーゼバイを連れ出す。会場で突然、父親の鷹があることをきっかけにして飛び去り、バーゼバイは後を追って旅に出ることになるのだが…。

 出演はバーゼバイ役でバーゼバイ・マテイ(Bazarbai Matei)、父親役はマーダン・マテイ(Mardan Matei)となっているので現地で実際に鷹匠をしている親子なのかもしれない。ほかにカーン役でセリクバイ・クフラン(Serikbai Khulan)ら(注:出演者のカナは不確かです)。本作のレネ=ボー・ハンセン監督は1952年、コペンハーゲン生まれ。1981年にスウェーデンテレビのドキュメンタリー作品でデビュー以来、多くのドキュメンタリーを手がけている。近年はドキュメンタリー映画学校で教鞭をとる傍ら、モンゴルで劇映画作品を監督しており、本作は2002年の「Miga’s Journey」に続くモンゴルで手がけた作品の2本目となる。

 下記のリンクに英語の公式サイトがあり、6月20日現在カミングスーンとなっているが、予告編はすでにアップしてあるようなので興味のある方はご覧を。

 映画祭での上映は、7月13日(月)が14時から、18日(土)が11時からの2回が予定されている。

 いずれの作品も、詳細は未定だが例年どおりに作品関係者を招いてのトークやQ&Aなども開催される。また、これら北欧の作品だけでなく、各国の若手を中心とした作品や、国内クリエイターによる短編コンペ作品の上映、その他の映画に関連したイベントなども多数開催される貴重な機会でもあるので、多くの方に足を運んでいただければと思う。他の作品のスケジュールや開場へのアクセス、チケットなど詳細については、下記映画祭の公式サイトをご参照いただきたい。

 また、本映画祭では長編部門の最優秀作品賞には賞金600万円が授与される。本コラムでもこのコンペの結果や、作品上映時のQ&Aなどのようすはお知らせしていく予定なのでお楽しみに。

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2009公式サイト:http://www.skipcity-dcf.jp/
『愛を求めて』公式サイト(デンマーク語):http://www.digogmigfilmen.dk/
『鷹匠の息子』公式サイト(英語):http://www.theeaglehuntersson.com/
 

★☆★☆★Dシネマ映画祭2009チケットプレゼント!★☆★☆★

本コラム冒頭でもご紹介したように、この映画祭のチケットを3組6名様にプレゼントいたします。ご紹介した作品をはじめ、各国からの長編コンペティション作品や国内の若手クリエイターによる短編コンペティション作品がご覧いただけるチケットですので、ふるってご応募下さい。

■提供チケット内容:

  SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2009「ご招待券」

  *長編・短編コンペ部門上映を1名様1回ご鑑賞頂けます

  *満席の場合はご入場頂けないこともありますのでお早めの来場をお勧めします

  *本券の提示で、併設の「映像ミュージアム」にも無料で入場頂けます

希望される方はメールにて、info@shinjuku-shobo.co.jpあて、チケットの送付先と希望者のお名前を添えてお送り下さい。

締め切りは7月5日とさせていただきます。なお応募者多数の場合は抽選とし、当選の発表は発送をもって代えさせていただきます。


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