北欧短編アニメーションの特集上映が開催 |
[2008/9/15] |
東京・下北沢にあるミニシアター、トリウッドで「海外アートアニメーション@トリウッド2008秋」という特集上映が開催される。短編映画中心に上映するユニークな映画館として知られるトリウッドだが、この特集では北欧とカナダのショートアニメーションが紹介される。プログラムはA~Dまでに分かれており、プログラムA~Cまでがそれぞれ北欧ショートアニメーション特集(1)~(3)、プログラムDがカナダ・アニメーション・フェスティバルとしての上映となっている。1プログラムあたり短編6、7本、上映時間約40~50分で上映される。 この4つのプログラムで、北欧の作品はフィンランド、スウェーデン、ノルウェー・カナダ合作のものが新旧とりまぜ合計19本が上映される。上映されるものの中には、「第12回広島国際アニメーションフェスティバル」(本コラム第75回)、「スウェディッシュ・ドックス」(本コラム第68回)、「ショートショートフィルムフェスティバル2007」(本コラム第58回)などですでに日本で上映されたものもあるが、劇場公開は初めてとなる。今回はこれらの作品をプログラムごとに簡単にご紹介したい。なお、各作品の監督のプロフィールや作品の内容については、下記の配給会社のオフィスHの公式ブログに詳細な解説があるので、そちらを参照のこと。また、再上映の作品でも、過去の上映時と今回の上映とで邦題が異なるものがあるのだが、原則として今回上映の邦題でご紹介する。 プログラムA(北欧ショートアニメーション特集1) 続いて今年の広島国際アニメーションフェスティバルでも上映されたフィンランドの作品。まず、クリスティアン・リンドブラード(Christian Lindblad)監督のクレイアニメと実写による『渾身の自画像』(Omakuva:2007)、次にサーラ・コンッティネン(Saara Konttinen)監督の手描き『一足の靴下』(Sukan katoavuuden laki:2007)、最後にシモ・ルオツァライネン(Simo Ruotsalainen)監督の手描き『原始の愛』(Omenapossu:2007)と3本続く。クリスティアン・リンドブラード監督については、本コラム第75回の記事でも紹介しているので参照していただきたい。それから『原始の愛』は広島では『りんごのぶた』として上映されていたもの。このように、冒頭でもお断りしたが異なる邦題で同じ作品というのが今回は多数ある。観る側からすればこの邦題、もう少し統一してくれたらよかったと思う。 |
|
プログラムB(北欧ショートアニメーション特集2) 続いてフィンランド作品で、最初にラウラ・ネウヴォネン(Laura Neuvonen)監督のCG『悪夢の引っ越し』(Möbleeraaja:2006)。ネウヴォネン監督については本作ではないが本コラム第75回の記事でも紹介しているので参照のこと。次がレーッタ・ネイッターンメキ(Reetta Neittaanmäki)監督のカットアウト『種の進化』(Sopeutujat:2007)、アンネ・ラークソ(Anne Laakso)監督のパペット『黒い物体』(Mustaa ainetta:2007)、最後にカイ・ラッパライネン(Kai Lappalainen)監督のCG『ジョン』(John:2007)と続く。 |
|
プログラムC(北欧ショートアニメーション特集3) 続いてはフィンランド作品だが、最初はキム・ヘルミネン(Kim Helminen)監督のフラッシュアニメ『石油連鎖』(Säieteoria:2007)、次にラウラ・パロサーリ(Laura Palosaari)監督のCG、実写による『ローズガーデン通りの秘技』(Ruusutarhankatu:2007)、CHRZUの名前で活動するクリステル・リンドストレム(Christer Lindström)監督のパペット『オペラシャワー』(Laulu suihkussa:2006)、タトゥ・ポホヤヴィルタ(Tatu Pohjavirta)監督の手描き『至福の美酒』(Jano:2007)の4作品が続く。これらの中ではリンドストレム監督とポホヤヴィルタ監督について本コラム第75回の記事で紹介しているので参照してほしい。 |
|
プログラムD(カナダ・アニメーション・フェスティバル) なお、今回の上映に関連してトークイベントも開催される。『鏡の中に』、『強迫観念』、『執事』の3作品を手がけたエーリック・ローセンルンド監督をゲストに迎え、9月22日と26日の2回が予定されている。監督の作品やスウェーデンのアニメーション製作の現場について直接聞けるまたとないチャンスなので、ぜひご参加を。トーク前に予習したい方、彼の経歴などの詳細は英語だが本人の公式サイトがあるので下記リンクを参照してほしい。 作品の上映は9月13日から10月10日まで(祝日を除く火曜日定休)。これだけのスケールで短編アニメーション、それも北欧のものをまとめて観る機会は貴重である。お見逃しのないように。トークショーを含む上映スケジュール、チケットなど詳細については下記の特集公式サイトを参照。 |
「海外アートアニメーション@トリウッド2008秋」 オフィスH公式ブログ:http://blog.livedoor.jp/officeh_notebook/ エーリック・ローセンルンド監督公式サイト(英語):http://www.erikrosenlund.com/ |