北欧監督も参加したオムニバス作品が公開中 |
[2008/5/24] |
今年で61回目を迎えたカンヌ国際映画祭は5月25日までの日程で開催中でで、恐らく本稿がアップされる頃には受賞作品も発表されているだろう。ちなみに今年、北欧作品はある視点部門で2つ出品されている。ひとつは昨年日本でも公開された『酔いどれ詩人になるまえに』(本コラム第8回、第63回参照)のベント・ハーメル監督(221ページ)による新作「O' Horten」(2007)で、もうひとつはスウェーデンのルーベン・エストルンド(Ruben Östlund)監督の「Involuntary」(De Ofrivilliga:2008)の2作品である。北欧作品が受賞! ということになれば、当コラムでもお知らせしたいと思う。 さて、今回ご紹介するのは、昨年のカンヌ国際映画祭60回を記念して製作されたオムニバス映画『それぞれのシネマ』(Chacun son cinéma:2007)である。カンヌ国際映画祭からの「あなたにとって『映画館』とは何か、自由な想像力で3分間の短編映画を作って下さい」という依頼に応じ、36人の国際的に著名な監督が34の作品を製作した。この映画が日本でも公開される。ただし諸事情により、昨年のカンヌ国際映画祭で上映されたコーエン兄弟(「World Cinema」)とマイケル・チミノ監督(「No Translation Needed」)の作品が抜け、新たにデヴィッド・リンチ監督の作品『アブサーダ』(Absurda)が加わっている。 この作品には3人の北欧の監督が参加している。それぞれご紹介するとデンマークのビレ・アウグスト(233ページ)が『最後のデート・ショウ』(The Last Dating Show)、ラース・フォン・トリアー(218ページ)が『職業』(Occupations)、そしてフィンランドのアキ・カウリスマキ(228ページ)が『鋳造所』(La Fonderie)という作品を提供している。それぞれわずか3分だが、その時間の中でどんなイマジネーションの世界を作り上げたのか気になるところ。この作品には北欧の監督のほかにも日本の北野武監督、ギリシャのテオ・アンゲロブロス監督らそうそうたるメンバーが顔を揃えているので、北欧の監督のみならず、他の方々の作品も楽しみである。 日本での配給はオフィス北野。日本での上映は東京のユナイテッド・シネマ豊洲にて、5月30日までの限定公開(デジタルプロジェクター上映)。詳細は下記ホームページを参照。また、DVDも7月4日にリリースされる予定(発売:アスミック、販売:角川エンタテインメント)。 |
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