「スウェーデンスタイル映画祭」の開催

[2006/11/6]

 毎秋恒例の行事となった感のある、スウェーデンを多角的に紹介するイベント、「スウェーデンスタイル」が今年も11月15日まで、全国50以上の会場で開催される。

 今回は、映画の関係では「スウェーデンスタイル東京 映画祭」という催しも行われる。スウェーデン大使館でスウェーデン映画7本の上映が予定されている(ただしDVDでの上映)。今回は、この映画祭で上映される作品について、上映順に紹介しよう。

「Zozo」(2005)
 オープニングに上映されるのが、昨年のアカデミー賞外国語映画賞へのエントリー作品となったヨセフ・ファーレス監督(219ページ)による最新作(本コラム第12回参照)。監督自身の体験も織り込まれた、レバノン内戦下のベイルートを舞台にした作品である。主演のZozo役は、やはりベイルート生まれの少年、イマド・クレイディ(Imad Creidi)が演じる。下記のページで予告編を見ることができる。
Sonet Filmのページ(スウェーデン語):http://www.sonetfilm.se/zino.aspx?articleID=693&clip=1

「Wallander - Mastermind」(2005)
 本コラム第35回でも紹介した、ヘニング・マンケル原作のミステリ・シリーズの映画化作品の一つ。イースタ署の刑事、クルト・ヴァランダーが主人公の作品で、本作は劇場公開されている。監督はデンマーク出身のペーテル・フリント(Peter Flinth)、ヴァランダー役は『恋に落ちる確率』(184ページ)などにも出演しているクリステル・ヘンリクソン(Krister Henriksson)が演じる。なお、下記の公式サイトでこの作品の予告編なども見ることができる。また、本コラム第35回では、シリーズの詳細や関連のサイトなども紹介しているので、ぜひ参照してほしい。
公式サイト(スウェーデン語):http://www.sf.se/sites/mastermind/

「Kim Novak Never Swam in Genesaret's Lake」(Kim Novak badade aldrig i Genesarets sjö:2005)
 タイトルは直訳すれば「キム・ノヴァックはジェネサレト湖では決して泳がない」となるが、これも35回で紹介したホーカン・ネッセルのミステリが原作。ただし、コラムで触れたファン・フェーテルンのシリーズではなく、独立した作品である。1960年代、湖畔のコテージで夏休みを過ごす少年たちの物語。ノルウェー出身のマッティン・アスファウグ(Martin Asphaug)監督の作品で、撮影は『キッチン・ストーリー』(178ページ)も手がけたフィリップ・オゴー(Philip Øgaard)。主演の少年役は本作がデビューだが、ほかにレイフ・アンドレー(232ページ)らが出演。
公式サイト(スウェーデン語):http://www.sf.se/sites/kimnovak/

『刑事マルティン・ベック』(Mannen på taket:1976)
 スウェーデンを代表するミステリ、マルティン・ベック・シリーズの「屋根の上の男」が原作。ボー・ヴィーデルベルイ監督(231ページ)による、マルティン・ベック・シリーズのスウェーデン本国での映画化第一作である。警察映画の古典的名作ともいわれ、日本でも表記のタイトルで公開されているのだが、残念ながらビデオは廃盤なので、今回は貴重な機会だろう。

「La Nilsson」(2005)
 スウェーデンを代表するソプラノ歌手、ビルギット・ニルソン(Birgit Nilsson:1918~2005)のドキュメンタリー。晩年に彼女の自宅で撮影された回想インタビューとのこと。

「God Morgon alla barn」(2005)
 タイトルを直訳すると「おはよう子どもたち」となるテレビシリーズ。監督は若手のイェンス・ヨンソン(Jens Jonsson)で、1974年、スウェーデン北部のウメオ生まれ。国立映画学校(Dramatiska Institutet)で学び、CMや短編映画を主に手がけていたが、このドラマが長編デビューとなった。作品はスウェーデンテレビ(SVT)で2005年11月に6回放映されている。今回は2回に分けての上映で、DVD版を使っての上映のようだ。出演に、すぐ下にも紹介しているKrama migにも出演しているロッタ・テイレ(Lotta Tejle)、レイネ・ブリノルフソン(218ページ)、『エヴァとステファンとすてきな家族』(159ページ)などにも出演しているセシリア・フローデ(Cecilia Frode)ら。

「Love & Happiness」(Krama mig:2005)
 クリスティナ・フムレ(Kristina Humle)監督の長編デビュー作。彼女は1965年ダーラナに生まれ、国立映画学校を卒業した。母親の死から立ち直れないでいる19歳の少女、ミナが主人公の物語。出演はミナ役に1985年生まれの新人ヘナ・オーラネン(Henna Ohranen)など。下記公式サイトで予告編などが見られる。
公式サイト(スウェーデン語):http://www.sf.se/sites/kramamig/

 以上の7作が、東京・六本木のスウェーデン大使館のオーディトリウムで11月10日から12日まで1回ずつ上映される。ただし、上映は英語字幕のみ。また、オープニングの「Zozo」は招待客のみが対象の上映だが、それ以外の作品については予約等は特に必要ないようだ。上映時間など詳細は下記のページを参照。
「スウェーデンスタイル東京 映画祭」ページ:http://www.swedishstyle.net/style/JP/index.cfm?category=374

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