イングマール・ベルイマン監督によるテレビ作品の公開

[2006/10/17]

 映画監督からは1982年の作品『ファニーとアレクサンデル』(Fanny och Alexander)を最後に引退を宣言したイングマール・ベルイマンだが、その後も舞台の演出や、テレビドラマなどの監督として、いくつもの作品を手がけている。その中ではいまのところ最新のテレビ作品で、スウェーデン本国では2003年12月1日にスウェーデンテレビ(SVT)で初放映された『サラバンド』(Saraband:2003)が、日本でも劇場公開される。

 この作品は、ベルイマンが『ある結婚の風景』(Scener ur ett äktenskap:1973)の続編として手がけたもので、脚本も彼の手による。リヴ・ウルマン(229ページ)演じるマリアンヌと、エルランド・ヨセフソン(Erland Josephson)演じるヨーハンの夫妻の30年後という設定だが、前編にあたるこちらの作品も、もともとは全6話、5時間を超えるテレビシリーズとして製作されたものである。

 マリアンヌが突然元夫に再開しようと思い立ち、ある秋の日にダーラナ地方の彼の別荘を訪れる。近所には彼の息子のヘンリクと、ヘンリクの娘カーリンも暮らす。作品は、バッハの音楽をバックに、ヘンリクとカーリン父娘の愛憎を軸にして展開する。マリアンヌとヨセフソン役は『ある結婚の風景』でも演じたウルマンとヨセフソンだが、ヘンリク役は『愛の風景』(94ページ)や『日曜日のピュ』(95ページ)などのベルイマン関連作品(ベルイマンが脚本を手がけた、彼の自伝的な作品)にも出演しているベーリエ・アールステッド(Börje Ahlstedt)、カーリン役はユーリア・デュフヴィニウス(Julia Dufvenius)が演じる。デュフヴィニウスは、母親がテレビや舞台関連の仕事をしていたこともあってか、子役としていくつかの作品に出演後、「Suxxess」(2002)などの作品に出演している。

 なおこの作品、ベルイマン側からするとあくまで映画ではなくテレビドラマだという考え方があるのか、デジタルハイビジョンでの撮影で、製作者サイドからはフィルムに焼くことを厳禁されているという。このため映画館での公開は、設備面から自ずと限定されることになる。日本では現在のところ、オリジナルのデジタルハイビジョンによる公開は、東京のユーロスペースのみ(地方では別のフォーマットに変換して上映)だそうなので、お見逃しのないように。

 また、作品の舞台のダーラナ地方は、「スウェーデン人の心の故郷」とも呼ばれる、風光明媚なところで、多くの芸術家を輩出したり、観光地のある場所でもある。美しい秋のダーラナを、ベルイマンがどのように撮っているかも楽しみなところだ。

『サラバンド』、エルランド・ヨセフソン(左)とリヴ・ウルマン(右)。
(C)SVT 2006. All Rights Reserved.
公式サイト(英語:2005年にアメリカで公開された時のもの):http://www.sonyclassics.com/saraband/index.html
公式サイト(日本語):http://www.saraband-movie.com/
ユーロスペース公式サイト:http://www.eurospace.co.jp/

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