国際Dシネマ映画祭にスウェーデン作品が出品

[2006/6/25]

 埼玉県川口市にあるSKIPシティで開催される「国際Dシネマ映画祭」は、今年で3回目を迎える新しい映画祭である。過去2回の映画祭では、第1回に『ウィルバー・ウォンツ・トゥ・キル・ヒムセルフ』(177ページ)、第2回に『ブラザーズ』(190ページ、本コラム第27回)と、続けてデンマークの作品が出品され、いずれも最優秀作品賞に輝いている。

 今年の映画祭は7月15日~23日までの日程で開催され、コンペには長編12本、短編11本がノミネート(国際コンペティションがあるのは長編のみ)。今回の映画祭では、北欧からはスウェーデンのヘンリック・シルヴェーン(Henrik Sylvén)監督のラブコメディ、『太っちょ泥棒のラブライフ』(Tjocktjuven)が出品されている。本作は本国スウェーデンでは今年の4月に封切られた。

 スリのハリーは死んだ彼の妻、リビアを愛していた。だがハリーは彼を捕まえた警官カーリンと恋に落ちる。だがリビアが幽霊になって現れて、ハリーは二人の板挟みに…。この不思議な三角関係の行方を描く。

 主な出演はハリー役にトーマス・ケーレル(Tomas Köhler)、リビア役にフリーダ・ハルグレン(Frida Hallgren)、カーリン役にヴァンナ・ローゼンベリ(Vanna Rosenberg)ら。主演のトーマス・ケーレルはこれまでテレビを中心に活躍、本作が長編劇映画初出演となる。フリーダ・ハルグレンは『歓びを歌にのせて』(本コラム第4回)でレーナ役を演じているので、ご存じの方も多いだろう。ヴァンナ・ローゼンベリはビョルン・シェルマン(224ページ)主演のコメディ「Adam & Eva」(1997)など、多くの映画に出演しているが、日本上映作品は今回が初登場となる。ほかにトミー・アンデション(Tommy Andersson:「Jalla! Jalla!」(161ページ)などに出演)、ミカエル・ペシュブラント(Mikael Persbrandt:『ゴシップ』(162ページ)、『暗殺の瞬間』(134ページ)などに出演)らが演じる。監督のヘンリック・シルヴェーンは1971年、ストックホルム生まれ。コマーシャルやテレビ作品を手がけながら、1998年、短編映画「Stockholmare」で映画デビュー。本作は長編劇映画デビュー作である。

 なお、本作の上映は会期中の16日(日)14時30分からと22日(土)18時の2回。いずれの回もヘンリック・シルヴェーン監督とのQ&Aと、監督と共同で脚本を手がけたヨナタン・シェーベリ(Jonathan Sjöberg)の舞台挨拶も行われる。北欧映画関係のスタッフにじかに接する貴重なチャンスなので、興味のある方はぜひ。

 北欧映画とは関係ないが、映画祭会場のSKIPシティはNHKのラジオ送信所の跡地に埼玉県の肝いりで建設された映像関係の教育や産業の拠点で、映像ミュージアムやNHKアーカイブスといった施設もある。興味のある方は、映画を観るついでに立ち寄るのもいいだろう。
『太っちょ泥棒のラブライフ』 Simon Pramsten
映画祭公式サイト:http://www.skipcity-dcf.jp/
SKIPシティ公式サイト:http://www.skipcity.jp/
NHKアーカイブス公式サイト:http://www.nhk.or.jp/nhk-archives/

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