ヴィルゴット・シェーマン監督、死去

[2006/4/18]

 『私は好奇心の強い女』(67ページ)などで知られるスウェーデンの映画監督、ヴィルゴット・シェーマン(Vilgot Sjöman)が、現地時間の4月9日朝、ストックホルムで亡くなった。81歳。

 彼は1924年にストックホルムで生まれ、1955年にアメリカのUCLAで映画制作を学び卒業、1962年に「The Mistress」(Älskarinnan)で長編劇映画デビュー。この作品にはビビ・アンデション(Bibi Andersson)やマックス・フォン・シドウ(218ページ)らが出演している。その後、『私は好奇心の強い女』のほか、『491』(1964)など日本でも上映されたものや、テレビ作品なども含め、20本ほどの長編を手がけている。最後の監督作品は、「Alfred」(1995)で、ダイナマイトを発明したアルフレッド・ノーベルを描いた。

 また、彼は小説なども執筆活動にも積極的で、映画よりも早い1948年には最初の小説が刊行されるなど、これまで約30作品が発表されている。

 『私は好奇心の強い女』や『491』など、彼の初期の作品では、当時としては過激な性描写なども話題を呼んだ。彼の作品の公開も一つのきっかけとなって、各国で映画作品における表現の自由についての論争が巻き起こっている。そのあたりの顛末についても本書(北欧映画――完全ガイド)の『私は…』の作品紹介や、コラム(68ページ)に取り上げているので、興味のある方はぜひご覧になってみていただきたい。
『私は好奇心の強い女』公式サイト:http://www.nikkatsu.com/kohkishin/index.html
スウェーデン映画協会サイト(ニュース欄(Nyheter)にイングマール・ベルイマン賞を受賞した彼の写真が掲載):http://www.sfi.se/

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