ベルリン国際映画祭でデンマーク作品が審査員特別賞を受賞

[2006/2/27]

 世界三大映画祭のひとつ、ベルリン国際映画祭が今年も2月9日から19日まで開催された。今年で59回目となる映画祭では、グランプリ(金熊賞)にはボスニア・ヘルツェゴビナのヤスミラ・ジュバニッチ(Jasmila Zbanic)監督作品「Grbavica」(2006)が選ばれて幕を閉じたが、北欧作品の健闘も目立った。

 中でも、審査員特別賞にデンマークのペルニッレ・フィッシャー・クリステンセン(Pernille Fischer Christensen)監督作品「A Soap」(En Soap:2006)が選ばれている。デンマーク作品のこの賞の受賞は1999年の『ミフネ』(146ページ)以来、7年ぶり。監督は本作が長編劇映画としての処女作となる。このため新人作品賞も同時受賞した。

 繁盛している美容院のオーナー、シャルロッテは同居しているクリスティアンに不満で家を出、とあるアパートメントへ。彼女の下の階には性転換しようとしている、トランスセクシャルのヴェロニカという男性が住んでいる。ある日、シャルロッテとクリスティアンは思いがけない状況で知り合う...。ふつうの女性とトランスセクシャルの男性(女性?)の間に起こる、悲喜劇を描いた作品。シャルロッテ役に「In Your Hands」(187ページ)などに出演したトリーネ・ディールホルム、ヴェロニカ役で『恋に落ちる確率』(184ページ)などに出演したダヴィッド・デンシック(David Dencik)がキャスティングされている。クリステンセン監督は1969年生まれ。デンマーク国立フィルムスクール(60ページ)を1999年に卒業、何本かの短編映画を手がけている。

 ほかにも、主要な部門だけ紹介すると、短編映画部門で前回(19回)の本コラムでも紹介したスウェーデンのヨーナス・オデール(Jonas Odell)監督作「Never Like the First Time」 (Aldrig som första gången:2005)が金熊賞を受賞。またキンダー・フィルムフェスティバルでは、児童審査部門でやはり前回紹介したデンマークのニルス・アーゼン・オプレウ(Niels Arden Oplev)監督の「We Shall Overcome 」(Drømmen:2006)がクリスタル熊賞(グランプリ)、さらに青年審査部門ではスウェーデンのヘンリー・メイヤー(Henry Meyer)監督の「Four Weeks in June」(Fyra veckor i juni:2005)もクリスタル熊賞を受賞した。

 本書(北欧映画ー完全ガイド)の巻末資料(241ページ)によれば、最近の作品は大半が日本でも劇場公開されているので、「A Soap」も公開されることを願いたい。なお、デンマーク本国での公開は、7月からの予定。
審査員特別賞に輝いた「A Soap」
 受賞作については下記のベルリン国際映画祭公式サイトに掲載されている。
ベルリン国際映画祭公式サイト(英語):http://www.berlinale.de/en/HomePage.html
ムービープラス 第56回ベルリン映画祭:http://www.movieplus.jp/special/berlin56/

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