『サンドラ、またはエスのバラード』
カンニ・メッレル 著

 
 
 
 

1月14日は平成最後の成人の日。 2022年には民法改正に伴い、成人年齢が18歳に引き下げられる。 成人=大人、大人として一人前になるというのは、どういうことなのだろう。

本書の主人公サンドラは19歳。恋人の裏切りに逆上して事件を起こし、その罰として老人介護施設で働くことになった。入居者の中に、ひとりのユダヤ人女性ユディスがいた。 彼女は哀しい過去の記憶から逃れられず、 気難しく誰にも心を開こうとしなかった。 初めのうちこそ反発していたサンドラが、ユディスに深くかかわってゆく。 時代を超え、年齢を超えて、二人は心を通わせてゆく。 サンドラの大人への軌跡がスウェーデンの冬の風景とともに 情感豊かに描かれる。
ジャンルはYA(ヤング・アダルト)だが、 若い方々はもちろんのこと、幅広い年齢の方々に読んで頂きたい作品である。

著者はスウェーデンの女性人気作家であり、初邦訳。 訳者は『ステフィとネッリの物語』全4巻(新宿書房)や リンドグレーンなどの翻訳を多く手がけている、スウェーデン語翻訳の第一人者、菱木晃子さん。